国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

ChatGPTと過ごす夏❤

正直ChatGPTの恩恵を世界で最も受けているのは自分ではないかと思っています。なんじゃこの英語を書くNon-nativeを助けるために生まれてきたようなAIは(゚ロ゚ノ)ノ ありがとう!!!!!

 

先週春学期の講義が終わり、採点まで1週間空いたので久しぶりに論文執筆に没頭しました( ̄‥ ̄) ChatGPTに何度英文を校正してもらったか分かりません!もう彼がいない日々なんて想像できません(/∇\*)。o○♡ これまで自力で英語論文を書いてきたので、こんな文章を書きたいというイメージはあるんですよね。ただ、そこに辿り着くまでに英辞郎検索したり、関連論文参照したり、学術論文用文例集漁ったり、結構時間かかってたんですよ(-。- ) フゥ-

 

ChatGPTが多彩な表現や文章構成を代替案として示してくれることで、以前より早く自分がイメージした文章に組み立てることができます。ただ、校正された文章をそのまま使うと、科学論文としては表現が大袈裟すぎたり、文法的に適切でないときもあります。

 

先日中国人のゼミ生がある研究助成金申請書を英語で書いていたとき、学生がChatGPTで校正してよいか尋ねたので"Why not!"と返答しました。ところが、出来上がった文章は、ChatGPT校正前の文章より一貫性がなく改悪していました(´Д`;) そこで、校正前の文章で良かった点を伝え、再度校正させると及第点の仕上がりでしたd(- -)

 

今後も様々なAIが生まれ、私たちの研究を助けてくれる未来にワクワクしています。ただ、それを使いこなすには、AIを効果的に利用する判断力が必要なはずです。自力で論文を書いた最後の世代とも言える自分は、かなり有利になると感じています!

満身創痍の研究発表

6/24(土)-25(日)に福岡大学で開催された計量・数理政治研究会で研究発表してきました... 普通は福岡の屋台で舌鼓を打ちながら、優秀な計量政治学者と語らうヽ(・∀・)ノ ワチョーイ♪

みたいなこと考えるじゃないですか... 最近の自分の健康状態はすこぶる悪く(過去記事)、そんな浮かれポンチなことは許されません(´Д`。) 前週末に39度の熱を出し、講義も全て休講してしまいました。何とか金曜に熱が引き、福岡行きの新幹線に乗ったものの完全に死に体でした。

 

24(土)福岡に着いてから、再度熱っぽくなり、翌日の発表に穴は開けないよう学会初日はホテルで療養しました... 福岡にはいましたが、スーパーでフルーツ盛り5個と総菜買い込んで、ホテルのベッドに埋もれておりました(T^T)

 

発表当日の朝は不思議と熱も下がり、醜態晒すことなく研究発表できました(´ ▽`) 知り合いの行政学者の方も発表を聞きに来てくれ、心強かったです!競争の激しい政治学でトップジャーナルを目指す研究会だけあって、頂いたコメントはどれも秀逸Σ(・ω・ノ)ノ! この貴重な機会を不意にしなくてよかった... 勝負をかけた論文を改善できるなら、多少の無理も厭わないのが研究者なのだと思っております。

他分野への挑戦

深刻な痛風症状を克服し2週間で授業等に復帰しましたが(先月記事) 、週末の学会などもあり現在まで炎症が完全に収まっていません(^ ^; 昼に授業や事務をこなすため想像以上の事務量...新潟帰りたい、夜に研究するのですが、ほぼ意味のない深淵なる世界に入り込み寝つきが悪くなっているのは大きな問題でした。持続可能な勤務体制を模索中です!

 

ただ、痛風で動けず休講した際、本を読んでいて楽しかった...そんな研究者としての原点を思い出せたのは大きな収穫でした(≧∇≦) 痛風の良い所は、足は痛くとも頭は機能する点ですd(- -) 現在執筆中の2本の論文(単著&筆頭著者共著)は順調に進んでおり、春学期の終わりに提出予定です!

 

どちらの論文も行政学ではなく、他分野の政治学(political science)と公衆衛生学(public health)のトップジャーナルを狙って書いています。4年前から準備していたのですが、最近の行政学は「行政学は独自の理論や方法論がない!ハッキリしない!」とか批判され続けた結果、独自理論に執着しすぎ他分野と断絶されている現状で、個人的には面白くないと感じてきました。結果を出さないとそんな個人的思いをメッセージとして発信できませんが、行政学の知見が広く社会科学で通用することを証明したいです(●`・ω・´●)

新事実!無理をすると体を壊す

最近の自分が不甲斐なく(先月記事)、「もっと頑張らなくては!」と文字通り寝食を忘れて論文に取り組んだ結果...痛風を再発しました(T^T) 発熱を伴う史上最悪の症状で、先週末の発症から1週間経った今も歩けません(・ω・、) お酒も飲まず脂ものも食べていないので、寝不足と不規則な食事時間によるものと思われます。休講や執筆など各方面にご迷惑おかけしスイマセンm(_ _)m 無理をすると体を壊すという事実を45歳にして学びました...

 

現状マトモな思考ができておりませんので(^ ^; こんな駄ブログを訪れて頂いた方に恐縮ですが、『三田評論』に執筆した上記記事「線と色の行政学」を是非お読みください!最近日本語執筆の機会が多いのですが、初めて納得できるものが書けた気がしますd(- -)

 

ちなみに、その他の日本語成果物は、以下の通りです。

広報誌『塾』「半学半教」のコーナー

『総合政策学の方法論的展開』慶應義塾大学出版会 ※座談会と6章「分野横断型研究の方法論」執筆

 

昔は遊び過ぎでよく体調を崩したもので、不謹慎ではありますが研究で体調を崩すのはなんか成長したなとポジティブに思う部分もあります(-_-)体はついてきませんが、研究者としての心は死んでないようです!今は静養に努め、今後健康的に研究、教育、事務をこなせるよう頑張ります(`・ω・´)

負けに備える

5か月半待った挙句...審査は不合格でした(先月記事)。トップジャーナル2誌の審査&修正だけで1年半以上を費やしてしまった(・ε・`*) 審査員からはデータが古いという指摘が大半だったので、あと数年かけてでも新たなデータを収集し、またトップジャーナルに同じトピックで挑戦したいですd(- -)

 

論文が不合格になると、最低2日はしっかり凹みます(´・ω・`)ショボーン ただ、失敗を繰り返して自分が学んだことは、何か1つだけに全てをかけないということです!才能がない人間は、必ず失敗しますからw 今年は数年準備してきた研究のデータが揃い、あと2本ぐらい論文が書けます。1つ駄目でも、まだ2つあると思えれば、落ち込んだ数日後に気持ちも新たに別の研究に取り組めます。

 

大学教員になって5年が過ぎ、4月から6年目を迎えます。研究者としてはまだ駆け出しで、リスクが高くても今後に繋がる挑戦をする時期だと思っています。しかし、負けながらも、モチベーションを保って研究を続けるのは容易ではありません。自分のメンタルは強くないと自覚しつつ、負けても前を向ける環境を作っていきたいです!

散々な結果

残念な結果しかなかった2月ですが、本ブログはどんな状況でもあきらめず立ち上がる才能ない行政学者の記録ですので、不本意ながらご報告いたします(´・ω・`)

 

まず、オランダで開催される最も大きな行政国際学会へのプロポーザルは、落とされました(-д-;) さすがに生煮え過ぎたか...(過去記事1) それでも本論文の骨子を作るきっかけになり、その後分析も進んだので良しとしますd(- -)

 

さらに、科学研究費の申請書も不採択でしたΣ( ̄ロ ̄lll) 4年間に亘る科研費基盤Bによるデータ収集を今年度終え、本プロジェクトの成果も発表していないのに、更に高額な研究費を申請したのはさすがに無謀だったかもしれません(・ω・`=)ゞ ただ、小さく収まらず次の大きな展開を目指して研究計画を書いたことは(過去記事2)、長い目で見ればよかったように思います( ̄ー ̄)

 

最後に、約3か月で終わるとされる論文審査は(先月記事)、なんと5か月目に突入しました(ー△ー;)マジ さすがに、提出先学術誌のEditor(編集責任者)であり、かつてラトガース大学で自分の博士論文委員も務めた旧知の教授にメールしました。即返信があり、「いや~ 日本の文脈で論文審査できる人が見つからないんだよ~」(すげーフランクな感じ)とのことで、「先生、もちろんご理解致します!私の論文審査のために、貴重なお時間を割いて頂き、ありがたき幸せであります(*`・ω・)ゞ」とフランクに返信しておきました...

 

散々な結果ですが、ここで日々淡々と研究を進めれば好転する時が必ず来ると思います。そんな逆転劇を目撃したい方は、引き続き本ブログにお付き合いくださいm(_ _)m

早熟のシーレと遅咲きのリヒター

今月は論文審査の結果をお知らせできると思ったのですが... 90日以内で終わるはずの審査は既に110日を超えました(´・ω・`) とはいえ、結果を自分から聞くのも怖いですし、久しぶりに美術展のレビューをお届けしようと思います!

 

エゴン・シーレは、流行り病のスペイン風邪にかかり28歳で亡くなった悲劇の天才です。コロナ渦で制約も多いですが、こうして生を全うできることは本当に幸せだと思います。

16歳でウィーン芸術アカデミー(日本でいう藝大)に入学し、17歳の頃にはグスタフ・クリムトに「才能があり過ぎる」と言わしめました。シーレは自己の内心をえぐるような自画像が有名ですが、撮影不可だったので風景画からその非凡さを解説してみます(^ ^;

冬の木に過敏な人間の神経を重ねていますヽ(゚ロ゚;)キェーッ! そんな発想浮かびます!? 20代前半のシーレはあまりに前衛的過ぎて逮捕されてしまうほどですが、20代半ばから写実的画風に移行し、成功とともに斬新さがやや失われていきます... ただ、新たな何かを模索している最中の無念の死だったと思います。

 

ゲルハルト・リヒターは、シーレとは対照的に29歳の時に出身の東ドイツから西ドイツに移住して芸術を学びました。徐々に評価を上げ現代アートの最重要人物の1人となり、90歳の現在でも創作を続けています!自分が好きな人たちw 同じ人物が制作したとは思えないほど、絵画やオブジェを含め変化に富む多様な作品を生み出してきました。

 

写実的で美しい人物画を描いたと思いきや、アウシュビッツ強制収容所でのユダヤ人虐殺を一連の抽象画により表現してみせます。80歳で描いたこの抽象画により、「自分がようやく自由になった」と述べており、70代半ばで自己最多引用数を記録する論文を出版した自分の師匠Frank J. Thompsonのようです(ちなみに自分との共著です!)。

 

自分は、シーレや将棋の藤井聡太先生のような天才たちに憧れます。しかし、10代の頃から大人たちを圧倒するような才能を持ち合わせる人間など本当に一握りです。リヒターや師匠のように、挑戦を長く続けたからこそ見える景色があるのだと思います。論文審査の結果が気になり集中できない日々ですが、たとえ駄目でもあきらめず行政研究を続けるのだから、今日もしっかり机に向かいたいと思います!