国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

けんかをやめて

浦佐西山から望む八海山 (11/22 国際大学出張講義の帰りに撮影)

11月は地獄... 研究者殺しとも思える事務量の波に呑まれながら、Public Management Research Conference(PMRC)という最も大きな国際学会の締め切りが迫るこの時期は、国際派行政学者にとって正念場です。毎年プロポーザル提出を諦めようと思うのですが(過去記事1 2)、今年も未完成度だけは満点の計量分析らしき何かを提出しました(。・ε・`。)  うまく波を乗り切ったとは思えませんが、藻掻いて生き残った気はします(´Д`;)

 

ここまで踏ん張れたのは、開催地がオランダだからです!あのゴッホ美術館があるオランダだからです!!未完成の中に可能性を見つけて、お願いだからオランダ芸術を観させて(T^T) 本学関係者の皆様もちろん学会発表が主目的です

 

本題に移りますが、最近政治・国際関係の先生方が、twitter上で「本物の研究者とは?」的な話題でバトルしております。端的に言えば、「国際学術誌への論文掲載を目指し研究する先生 vs. 主に日本語で研究しメディアで活躍する先生」みたいな構図だと思います。傍から見れば自分は前者に属すると思われるのですが、個人的には日本語であれ英語であれ、定性であれ定量であれ、向上心を持って研究されている先生を尊敬します。一方で、研究もせずにメディアで根拠もなく断言する先生は尊敬できません。

 

ただ、SFCに来てから、メディアで活躍されている先生が羨ましいと思うことはあります。ほとんどの学部生にとって、トップジャーナルの論文掲載より、テレビ出演の方が何倍も価値があるのだと実感させられます。自分は才能がないので、かなりの時間と労力を割かないと国際的に勝負できません。そんな研究があまり認知されない日本の大学は、キツイなと感じます。しかし、この状況は、メディアで活躍される先生のせいではなく、外部発信しない国際派研究者のせいとも言えます。

 

最近は、国際業績もある落合先生や成田先生が、メディアに多く出演しています。到底自分にはできない芸当です。今日も提出した論文審査の進捗をウェブで執拗にチェックしながら、学生には「結果なんて気にせず、思い切った研究をしろ!」と矛盾した指導をし、論文を読むつもりがオンライン将棋を指して1日が終わりそうですw