夏季休校期間も終わりが近づき、研究一辺倒の生活を改め、秋学期の授業に備えなくてはなりません(´・ω・`)学生の皆さんも休み明けは少し億劫だと思いますが、教員も同じですw ただ、それは「ちゃんとやらないと」と思う真面目な自分がいることの裏返しだと思っていますd(- -)
秋学期の大きな悩みの一つが、初めての日本語講義『地方自治論』をどのように教えるかということです(※)。『地方自治論』は、日本の地方自治に関連する制度、政治、行政を体系化した日本独自の学問領域です。公務員志望者必修科目といった感じだと思いますが、自分はこの科目を勉強したことがないんですよ(^ ^;
※赴任直後ということもあり、春学期は前職国際大学と同様英語で授業させて頂きましたm(_ _)m
欧米韓中を中心とする地方行政研究は、あまり体系化されておらず、その都度地方政府が直面する国際的な課題(global issue)を取り上げながら発展してきた感が強いです。日本の地方が抱える人口減少は、欧州及び韓中も抱える問題で、日本から国際的な貢献が可能な分野だといえます(拙稿読んでね!誰でもdownloadできますd(^-^))。体系化されていないため、柔軟に発展できるのが国際的な地方行政研究の良い所ですが、教員によって教える内容が変わる一貫性のなさが問題ともいえます。
ない頭で考えてもしょうがないので、創設者の福澤先生に基本方針を伺うつもりで、三田キャンパスにある福澤諭吉記念 慶應歴史展示館に足を運びました(予約すれば誰でも入館できます!)。43歳まで全く縁のなかった組織ですから、学ぶことが多かったです。特に慶應義塾が、学問の先端を目指す「英学校」として明治期に地位を向上させ、当時の塾生が英語で政治経済学の原典を読んでいた事実は印象的でした。また福澤先生の言う実学は「サイエンス」に由来し、実証的な分析から論理を発展すべきとのお考えがあったことも励みになりました(関連記事)。何か「そのままやればいい」と言われている気がしました... 都合の良い解釈かもしれませんけど(^ω^)
ということで、慶應SFCの『地方自治論』は英語Local Governanceを本題とし、日本と世界の地方政府が直面する課題について、英語文献をもとに議論を進めます!公務員試験にはあまり役立ちませんが、未来志向の学生にとって面白いものになる...はずです。