国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

行政倫理:公務員は民間企業と交流していい

今年は公務員と民間企業の接待問題(東北新社総務省接待など)が注目され、行政学者としては残念な限りです。当然メディアを中心に、公務員に対し一層の倫理遵守が求められます。ただし、行政倫理は政策・規制の対象である民間企業からの金銭授与を禁じていますが、公務員と関連企業との交流・連携を禁じてはいません。

 

むしろ、対象の民間企業に対する知識がないまま政策・規制を実行すれば、倫理的には義務不履行?(malfeasance)とも考えられます。不正・腐敗を取り締まるだけが倫理なのではなく、どのように公務員として義務を果たすのか、姿勢を問うのが倫理です。

 

残念ながら、日本では接待や文書管理などの個別事例は扱われますが、「公務員が果たすべき義務は何か?」「誰に対して義務を負うのか?」という根本的問いがあまり研究されていません。「公務員は当然国民の総意に基づき義務を果たす」と考える方も多いと思いますが、国民が科学的根拠を無視してワクチン接種を拒むとき、行政は何もせず国民の総意に従うべきでしょうか?

 

ということで、来週10月1日(金)19時~ 行政倫理のZoom勉強会を開催します!ご興味のある方は、学生・社会人問わずどなたも参加できますので(顔を隠しての参加も可)、以下からZoom linkや資料をご確認くださいd(- -) => 第10回『行政研究のフロンティア』勉強会※資料は英語中心ですが、日本語で説明します。