国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

勝てないから楽しい!?

昨年末ニコニコ動画が自ら創設した将棋のタイトル戦「叡王戦」のスポンサーを降りました(=。=|||) しかし、本タイトル戦は消滅することなく、新しいスポンサーとして不二家様が名乗り出てくださいました(T^T) 将棋ファンの自分はケーキはもちろん不二家!さらに、ママの味ことMilkyを歯が白くなるまで舐め続ける所存ですd(-д☆)

 

叡王戦の前身である「電王戦」は、将棋のプロ棋士とAIが戦うニコニコ動画の人気番組となり、将棋の一大ブームを巻き起こしました。アメリカ大学院時代に、昼夜逆転も問わず、棋士の戦う姿を食い入るように観ていました(前ブログ記事)。当時日本の動画は、アメリカで視聴できないことが多く、数少ないエンタメを提供してくださったニコニコ動画さんに心から感謝しますm(_ _)m 以来、将棋は生活の一部になりました。

 

将棋は苦しい趣味でして、毎日詰将棋を解いたり、様々な戦型(定跡)を暗記しないと勝てません(^ ^; 現在一部の教員・職員で将棋リーグを定期的に開催し、参加しています。優勝させて頂いたこともありますが、自分らしくポカをして負けることもあります...そんな不甲斐ない負け方をすると悔しくて夜も眠れません(´・ω・`) 趣味で落ち込んで、研究に手がつかないとか、完全に本末転倒なのですが、何事もある程度本気で取り組まないと、本当の面白さは分からないのだと思います。

久しぶり過ぎる論文採択

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IUJ公式Twitterより

魚沼地方の記録的な大雪のなかで生活していますが、週に1度ぐらいお天道様を拝めます。それは雪の降るなか一生懸命生活する人に与えられるご褒美のような瞬間です。太平洋側で冬でも太陽光を浴びながら育った自分は、真の太陽の眩しさを初めて知ったような気持ちになります。

 

今週2年半ぶりに論文が採択され、最終稿を提出しました。初の日本語論文で、行政研究の方法論について書きました。ここで日本の査読はそれほど厳しくないだろう、と甘く見ていたことを懺悔しますm(_ _)m 査読結果は薄氷を踏むような危うさで、なんとか修正依頼にこぎつけました(=。=)ふ~ 査読コメントも厳しいもので、修正は困難を極めましたが、お陰様で良い論文になったと思います!

 

若手研究者との共著論文で、自分が研究プロジェクトの中心的役割を担っていたため、掲載不可にされたらどうしようと怯えていました(((; ゚д゚))) 研究キャリアをこれから形成する彼らの貴重な時間と労力を無駄にしてしまうなんて、心の弱い自分にはきっと耐えられなかったでしょう(=。=|||) 英文学術誌に比べ、日本の査読付き行政学術誌は決して多くないため、チャンスは限られていました。

 

英文学術誌への論文掲載を最も重要な業績と見る国際派の先生方からは、日本語の論文なんて...という声もあるかもしれません。個人的には、英語論文の執筆をライフワークとしながら、今後も日本語の論文・書籍を少しずつ書いていくつもりです。英語論文は世界で日本の行政学の存在感を少しでも上げるため、日本語論文は日本行政に携わる多くの方々に読んでもらうためと今は考えています。

「やりたいこと」は環境依存

今週ある官庁から依頼を受け、柄にもなく「有識者」なんて呼ばれ、意見をのたまう仕事をしました( ̄▽ ̄;) 政策内容に意見するのではなく、ある調査の質問票作成とデータの収集・分析手法についてアドバイスする仕事でした。政策決定とは距離のある技術的お手伝いの方が、自分が思い描いていた研究者の役割に近かったので、新たな旅路に向けて忙しい時期でしたが(過去記事)、2つ返事でお受けしましたd(-д☆)

 

実は役所時代に、調査係という役職で仕事をしていました。担当の方と調査の方法についてお話しながら、なんとも懐かしい気持ちになりました。そして、ふと思ったのですが、自分が自らデータを収集することを研究の生業にしたのは前職の影響ではないかと...

 

政府や大企業が集めたデータの分析を生業とする選択肢もあったはずですが、PhD時代何にも考えず自ら調査することばかり考えていました。元来自ら汗を流し、泥臭く仕事するのが好きな不器用な男です( ̄ー+ ̄) みたいに思っていたのですが... 行政 = 調査という固定概念を前職で植え付けられていただけと気づいてしまいました(((; ゚д゚)))ブルブル

 

「本来の自分」とか「自分のやりたいこと」を探せ!みたいな話を啓発系YouTube動画でよく見るのですが、自分にそんな高尚なものはなく、日々の行政の仕事で刷り込まれたことをPhD時代に「やりたいこと」と思い込み研究者になってしまったようです(=。=|||) ただ、役所を辞めて本来の自分を見つけました!とか豪語するより、結局周りに影響されながら何とか行政学者やってますと自覚したほうが、個人的には健全のように思います(^ ^;

マイノリティとして論文を書く

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今日も雪が降る自宅アパートのベランダから

緊急事態宣言によるロックダウンを嘆いている方もいらっしゃるようですが、こちら新潟県魚沼地方では年末から大雪のため自然ロックダウンが続いておりまして、大学のオフィスに行くのもままならない状態です(=。=|||) この土地に赴任して3年目になりますが、昨年も一昨年も少雪で、こんなに雪が降り続くのを見るのは初めてです(☆。☆) オフィスに行くとインターネット無制限で、つい動画など漁ってしまいますが、自宅アパートは3日で10GBという制限付きインターネットなので、研究は捗ります(^ ^;

 

日本語論文の修正や事務仕事を年末年始に片づけ、久しぶりに英語論文の修正に取り掛かりました(過去記事)!ところが論文を書き進めると、なんとも言えない違和感が(´・ω・`) そして気づいたのです...英語で論文を書くとき、自分は途端にマイノリティになるのです。

 

日本語論文を書くとき、日本のデータ・事例の重要性なんて説明しません。しかし、英語論文では、日本のデータ・事例が、行政の一般理論に貢献するか説明することが求められます。穿った言い方をすれば、最新の欧米行政研究を追いかけ、これに関連付けて日本のデータ・事例を理論的に説明しなければなりません... そんなの面白くないから日本語で書け!という日本の先生方の気持ちも分かります。

 

それでも、誰かが日本の行政研究を英語で発表しないと、世界で日本の孤立が進むばかりです。また、国際的な行政学における一般理論が、今後も日本のことなんて全く気にされず構築されていくのも悔しいじゃないですか(`・ω・´) 保守王国で日本より人口が少ないテキサス州の教育データが、行政一般理論に与えている影響は計り知れませんし...(Kenneth J Meier先生の論文を参照してね)。

 

調子に乗りやすい自分としては、ときどきマジョリティそして大体いつもマイノリティ気分で研究する方が、研究者として成長できるように思います( ̄∇ ̄*)

新たな旅路

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国際大学キャンパスを左手に八海山を車窓から望む (停車して撮影)

教員生活の中で最も忙しい、もとい、挑戦に溢れた年末年始を送っておりますが、それは新しい旅路に向かうときに必要なものです。自分は予言や占いの能力はありませんが、現時点に限り少し先の未来が見えています(`・ω・´) 変動の1年を自分が如何に乗り越えるのか、あるいは、いつも通り失敗ばかりするのか(^ ^; 楽しみにしていてください!

 

昨年もこの駄ブログをご愛読頂き、誠にありがとうございました。続けるだけが取り柄の3流ブログも、アメリカ留学時代の前ブログから数えて早や7年になります。毎週面白い記事を皆様にお届けできたら嬉しいのですが...そんな才能はないようなので、本年も気が向いたときに読み散らかして頂ければ幸いですm(_ _)m

最後のクリスマスケーキ

仕事から解放されると思いきや(先週記事)、すぐ次の依頼がやって来る~(T^T) おかげさまで、コロナ対策万全の籠りっきりのクリスマスを過ごせましたd(-д☆)

 

1人で過ごすのも大分慣れたのですが、何もしないのも味気ないので、行きつけの喫茶店兼ケーキ屋さんに足を運びました。ところが、クリスマスの書入れ時に、「事情によりしばらく休店します。ケーキを予約した方は中にお入りください。」との貼り紙(´・ω・`) 入り口から店内を覗き込むと、ご主人が中から出てきてくれました...

 

パティシエをされていた奥様が亡くなられたとのことでした。奥様は自分と同じ1977年生まれでした。このお店は、ご主人がコーヒーを淹れ、奥様がケーキを作る2人の協力体制でした。奥様が亡くなり、今後のお店のことはまだ決めていないとのことでした。失礼のないようお悔みの言葉だけ述べ、その場を立ち去りました。

 

後ほどお店のご夫婦と懇意にしている大学職員さんから詳しい話を聞き、胸が熱くなりました。奥様は肺癌で既に手術ができない状態にもかかわらず、お店に出続けていたそうです。自分はそんなことはつゆ知らず、休店日が少し多くなったことに不満を漏らしていたのですが、ご夫婦は「コロナ渦で色々ありまして...」と申し訳なさそうに笑うだけでした。余命が縮まっても、自ら作り上げたお店に最後まで立ち続けたいというのが奥様たっての希望だったようです。

 

無理が祟ってか思いがけず容体が急変し、12月のクリスマスケーキを準備するなか亡くなったそうです。奥様が作ったケーキの土台に、何とかご主人とパートの方で飾り付けし、予約のケーキは全て完成させたそうです。前出の職員さんによれば、小学生と中学生の息子さん2人は、式で泣き崩れていたそうです...自分が言えるようなことではないですが、立派なお母さんの生き様を誇りに、強く生きていってくれると信じます。

 

ブログで仕事の愚痴をこぼす自分とは、人としての品格が違いすぎます(=。=|||) お店では楽しんでほしいと、ご自身の病気について口外しなかったのだと勝手に推測します。ここにご冥福を心よりお祈りいたします。いつか再会するときに、自分も恥ずかしくない生き様だったとお話しできるよう、来年も頑張ろうと思います。

締め切りでゾーンに入る

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雪に埋もれる大学の中庭

今週南魚沼は1メートルを超える積雪に見舞われまして、この週末は外出できるような状態ではありません...しかし!そんなことは今の自分には、むしろ好都合d(-д☆) 最近週末に休んだ記憶などないのですが(=。=|||) とうとう解放される日が近づいています!!21日(月)締め切りの論文修正と教務関連の申請書を提出したら、あんなことや、こんなこと...やりたいこと一杯でニヤニヤが止まりません(* ̄▽ ̄*)

 

締め切りに追われるのは苦しいですけど、自分の可能性を教えてくれたりします(^ ^; 時間に追い詰められて浮かぶアイディアって、長時間考えたアイディアより良かったりしますからd(- -) 普段から自分にプレッシャーかけて仕事出来たらいいのですが、凡人はついついアニメ見たり、音楽動画漁ったり、将棋指したりしますからね(*´σー`)エヘヘ

 

 目標は、研究をあきらめず続けることですから。張り詰め過ぎた状態は長続きしませんし、来週は凡人通常運転で怠惰に過ごそうと思います(笑)