国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

最後のクリスマスケーキ

仕事から解放されると思いきや(先週記事)、すぐ次の依頼がやって来る~(T^T) おかげさまで、コロナ対策万全の籠りっきりのクリスマスを過ごせましたd(-д☆)

 

1人で過ごすのも大分慣れたのですが、何もしないのも味気ないので、行きつけの喫茶店兼ケーキ屋さんに足を運びました。ところが、クリスマスの書入れ時に、「事情によりしばらく休店します。ケーキを予約した方は中にお入りください。」との貼り紙(´・ω・`) 入り口から店内を覗き込むと、ご主人が中から出てきてくれました...

 

パティシエをされていた奥様が亡くなられたとのことでした。奥様は自分と同じ1977年生まれでした。このお店は、ご主人がコーヒーを淹れ、奥様がケーキを作る2人の協力体制でした。奥様が亡くなり、今後のお店のことはまだ決めていないとのことでした。失礼のないようお悔みの言葉だけ述べ、その場を立ち去りました。

 

後ほどお店のご夫婦と懇意にしている大学職員さんから詳しい話を聞き、胸が熱くなりました。奥様は肺癌で既に手術ができない状態にもかかわらず、お店に出続けていたそうです。自分はそんなことはつゆ知らず、休店日が少し多くなったことに不満を漏らしていたのですが、ご夫婦は「コロナ渦で色々ありまして...」と申し訳なさそうに笑うだけでした。余命が縮まっても、自ら作り上げたお店に最後まで立ち続けたいというのが奥様たっての希望だったようです。

 

無理が祟ってか思いがけず容体が急変し、12月のクリスマスケーキを準備するなか亡くなったそうです。奥様が作ったケーキの土台に、何とかご主人とパートの方で飾り付けし、予約のケーキは全て完成させたそうです。前出の職員さんによれば、小学生と中学生の息子さん2人は、式で泣き崩れていたそうです...自分が言えるようなことではないですが、立派なお母さんの生き様を誇りに、強く生きていってくれると信じます。

 

ブログで仕事の愚痴をこぼす自分とは、人としての品格が違いすぎます(=。=|||) お店では楽しんでほしいと、ご自身の病気について口外しなかったのだと勝手に推測します。ここにご冥福を心よりお祈りいたします。いつか再会するときに、自分も恥ずかしくない生き様だったとお話しできるよう、来年も頑張ろうと思います。