国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

年収ブーム

f:id:shugo-shinohara:20191214113423j:plain

テレビを観ないため、偏ったエンタメ情報を動画から得ているとは思うのですが(゚ー゚;とにかく年収を聞くことが、日本ではブームのようです。自分は聞かれて嫌ということはないですが、若手研究者の飲み会などでもよく話題に上ります。アメリカのエンタメで、ゲストに年収を聞くような番組を知りませんし、国際学会後のパーティーなどで教授間の話題に上っているのも、あまり見かけませんでした。

 

これは勝手な推測ですが、アメリカでは年収格差がありすぎて、エンタメにもならいのではないでしょうか?アメリカのスターは国境を越えて所得を得ることができ、テレビを主に観ている人たちとは、あまりにかけ離れた存在です。一方、日本では、そこそこテレビで活躍している中堅芸人さんの年収を聞いて、多くの人は「まぁ、そんなもんか」と胸を撫で下す...というストーリーが成り立つのだと思います。

 

大学にも似たようなことが言えそうです。アメリカでは、世界トップレベルの大学が多数あり、研究実績に基づき毎年のように大学ランキングで格付けされます。ランキングの高い大学に優秀な学生も集まり、お金持ちになった卒業生が寄付してくれるという仕組みがあります。たとえ同じ大学内でも、国際的に知名度のある教授と、実績のない教授とでは、あまりに年収が違うため、パーティーなどの公の場での話題に適さないのだと思います。もちろん、似たような境遇の同僚間では当然話題に上っているとは思いますが...( ̄▽ ̄;)

 

一方、日本の大学では、研究が収入にあまり結びつきません。アメリカに比べて、国際的ランキングを気にできるような大学が非常に少なく、ほとんどの大学で、研究実績が大学の学生集めや資金獲得に直接寄与しないからです。就職実績や卒業生の知名度など、日本国内で独自に確立された評判をもとに、学生や親は進学先を決め、政府・大手企業も連携・投資先を決める傾向にあるようです。研究するよりは、多くの授業・講演をしたり、マスコミなどに出演して知名度を上げる方が、年収が多くなるというのが日本の大学教員だと思います。

 

所属する大学名やマスコミ露出度だけでなく、論文実績等で教授を判断しろというのは多くの方々にとって無茶な話だとは思いますが、日本で研究熱心な教授を見かけたら自分は研究熱心と言えるほど頑張っていない、年収のことは少し置いといて、なんて奇特な人なんだと、ほんの少し尊敬を向けて頂けたらと切に願う次第ですm(_ _)m