国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

ミャンマー出張:やりすぎな学生たち

国際大学大学院大学のため、大学受験用の入試事務がない代わりに、9割以上の学生が海外留学生であることから、志願者との面接のため毎年少なくとも1回の海外出張が義務付けられています。今週本学で最も学生数の多い国、ミャンマーに出張してきました!

 

インドネシアウガンダでの勤務経験もあるので、特に心配事もなく、ビザの取得や旅行日程など自分で準備しまして、初めてとはいえ海外出張も慣れたものだと自分で感心していたのですが( ̄ー+ ̄) ミャンマーの空港に降り立つと、これまでとは明らかに違うことに気づきます...

それは空港で自分のゼミ生を含めた学生たちが大きなウェルカムボードを持って、待ち構えていたことでしたΣ(゚ロ゚ノ)ノ 特にゼミ生のリンちゃんは、非常に明るいタイプでして...到着ゲートを出た瞬間に大きな声で叫ぶので、一緒に降りてきた日本人乗客の方々に笑われてしまいました(-。-;)

 

最大都市ヤンゴンから、議会、軍本部、中央省庁のある首都ネピドーへ国内線で移動すると、さらに驚いたことに...軍服を着た学生たちが部下を引き連れて空港でお出迎えΣ(゚△゚;) 他の乗客の皆様が怯えて道を開けるなか、堂々と進軍する学生たち(軍人)に連れられて、 面接会場である軍のアカデミー(日本の防衛大学のような場所)に向かったのでした。

 

面接の合間も、軍所属の学生が軍の施設を見学させてくれまして...機関銃や航空機を自慢気に説明する姿を見ながら、来学期の授業で彼らにもっと優しくしようと心に誓うのでした(苦笑)

 

出張最終日は少し時間もあったので、ヤンゴンに戻り、学生たちにパゴダと呼ばれる大きな寺院や国立博物館を案内してもらい、ミャンマーの歴史や文化を学びました。

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ミャンマーといえば、最近ロヒンギャ難民の問題ばかりが取り上げられていますが、内陸部にも多様な民族が存在し、政府軍との抗争が今も続いています。ロヒンギャ難民への対応に関し、アウンサンスーチー氏の指導力を疑問視する国際社会の声もありますが、軍や中央省庁内での面接を通じて、軍の影響力は外から見るより遥かに大きく、彼女が指導力を発揮できない土壌があることを強く感じました。ミャンマーに安定した平和が訪れるためにも、軍や中央省庁所属の学生たちに、民主的な行政を教えることの重要性を再認識できた出張でもありましたd(- -)