国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

パスポートを忘れる大学講師(=。=|||)

まぁ、以前から自分が少し抜けているんじゃないかと薄々感じてはいました。ただ、さすがに40代に突入し、大学教員という責任ある立場になったので、少しまともになったと思いたいじゃないですか...でも、こんなことしてたら思えない(T^T) アホ過ぎる。

 

先月末東京大学で開催された日本行政学会から、シンガポール国立大学で開催されるPublic Management Research Conference (PMRC)に向かう道中で、パスポートを新潟の自宅に置き忘れたことに気づき、なんとかシンガポール出発前夜に新幹線に飛び乗り、パスポートを回収するという失態を演じました(*´д`*) PMRCではシンガポール国立大学助教授をしている友人、今後の日本行政学を担う2人の先生と一緒に発表パネルを組んだので、最悪の事態は免れて本当に良かったです。

 

肝心の学会は、一緒にパネルを組んだ皆さんと交流を深めたり、ラトガース大学時代の先輩・後輩に会って旧交を暖めたり、とても楽しかったです!ただ、シンガポールに留学している中央アジアや東南アジアの博士課程の学生が、英文ジャーナルへの論文掲載を目指して必死に研究している事実を目の当たりにし、強い危機感を感じました。日本はアジア行政学の中でも、最も国際的認知度の低い国になってしまう...という確定した未来に近いものを見せられました。

 

実は、国際大学でも優秀な東南アジア出身の学生を中心に、国際的に評価の高い学術誌であることを示すSocial Sciences Citation Indexに登録されている行政ジャーナルへの論文掲載が見込まれています。当然国内トップの大学を卒業した日本人研究者が彼女・彼らに劣るわけではありませんが、ゼロから英語で行政学を勉強し、国際的な研究業績の指標である英文ジャーナルを一心不乱に目指すため、国産行政学の業績も必要な日本人研究者に比べ、ゴールに辿り着くのが早くなります。

 

一緒に発表した日本の先生方とも話したのですが、若手・中堅行政研究者に国際学会に出席してもらい、危機感を共有することで、日本行政学の国際化推進に繋がるだろうと考えました。国際的に通用しない国産学問が生き残れる時代でもないように思うので、問題意識を共有する少し上の先輩方や若手研究者の皆さんと一緒に、国際化に向けてもっと頑張ろう!とパスポートを忘れるような緩んだ気持ちを改めました。