国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

古典派 vs. 印象派:ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

 大学より9月まで自粛を要請されていた東京への往来が解禁となり、昨日ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に行ってきました!最大のお目当ては、ゴッホの傑作「ひまわり」(☆。☆) ゴーギャン、モネ、セザンヌピサロルノアールドガといった印象派を代表する画家の作品も日本初出品ということで、印象派好きの自分としては是非行きたかったのです... 何とか間に合って本当によかった(T-T)

 

これまでアメリカ所蔵の美術作品を中心に鑑賞してきましたから、日本でヨーロッパ所蔵の作品を鑑賞できるのは有難いです(過去記事1, 2)m(_ _)m  本展においては、19世紀後半に活躍した印象派の画家だけでなく、同時期に活躍したイギリス画家の作品も展示されていました。イギリスでは、印象派の価値が認められたのは比較的遅く、写実的な技巧をこらした肖像画や風景画が主流でした。

 

これら古典派といわれるイギリスの画家からは、伝統を受け継ぐ誇りのようなものを感じるのですが... ダイナミックで斬新な印象派の作品と並ぶとき、自分は哀愁のようなものを感じてしまうのです(´・ω・`)

 

いつの時代も新しいものに対する抵抗感は強く、短期的には主流派に迎合する方が幸せのようなが気がします。力のある芸術家や富豪に認められやすく、生活も安定するでしょう。それでも力強く自分たちが信じる美を追求し、「ひまわり」をうねらせ、「花瓶の花」に暗闇を忍ばせ、「プロバンスの丘」の風景を幾何学的に描き、そんな未踏の挑戦を続けた画家たちに心を奪われてしまうのです。

 

自分のような凡人は、人から少しでも認められたくて、安易な方向に研究を進めがちです(^ ^; 歴史に名を遺す天才たちとは比べようもないですが、テニュアも頂き斬新なものを追い求める環境はあるのですから(過去記事)、もう少し挑戦的な研究をしなければと自省の念に駆られた作品展でした。