国際派行政学者の挑戦

慶應SFCの教員。才能ないなりに世界レベルの行政学者を目指す40代独身男(負け組)のブログ -月1回ぐらい更新-

全寮制大学院オンライン授業の悲哀

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※Zoomのウェブサイト画像

春学期の終わりが近づき、成績を付ける作業などに追われています。都心ではようやく授業が始まった大学もあるようですが、人口密度の低い土地柄も幸いし、本学はオンライン授業を駆使しながら予定通り授業を終えることができました。※ちなみに本学は、日本で初めて9月入学を導入した大学院大学で、他の大学とはスケジュールが違います... 今後4年制大学と入学・卒業時期が一緒になれば学生獲得のチャンスかも!?

 

Zoomというオンライン会議用ツールを使って、大学の研究室から200m先の学生寮に向けて30~45人の大学院生を教えたのですが... お昼休憩を挟んだ授業では、結局大学の食堂で学生たちと顔を合わせるという(゚▽゚;) 全寮制大学院独特の奇妙な体験もしました。

 

オンラインZoom授業をしていて一番淋しかったのは、30人以上の音声を一斉に拾うとただの雑音となってしまうため、学生は発言するときを除いて音声をミュートしており、反応が分かりずらいことです(ー。ー;) 楽しく真剣に学ぼう!をモットーにしている自分としては、渾身のギャグをかましたのに、笑い声も聞こえず、さすがに「今からギャグを言うので、マイクをオンにしてください」とも言えず... 何とも消化不良でした誰もお前のギャグを求めていない

 

また、英語の行政学(Public Administration)や研究方法論(Research Methodology)をオンラインで教えていると... 「あれ!?これ俺が教えなくてもいいんじゃね?」的な疑問が沸々と湧いてきます。ググればより有名で英語の綺麗な欧米の先生が教える授業が見つかるに違いありません(-。-;) 直接的なコミュニケーションや個々に応じた指導なしでは、自分が教えることの価値が見出しずらいと否応なく気づかされました。

 

本学が学生を受け入れている国の中には、COVID-19の感染が最近拡大し始めたような国もあり、9月までに日本に渡航できない学生のために、新学期でもオンライン授業が続く可能性が高そうです... 上記のような状況では仕方ないですが、近い距離で学生と触れ合えない全寮制大学院は淋しい限りです。